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2011年8月15日 (月)

ジャンボのエンジンで原発を動かす

Photo 脱原発も結構ですが、原発に替わる火力発電所を新設するとなると、費用も期間も膨大なものとなります。発電所だけでなく、変電設備、送電設備も新設せねばなりません。

 ご存知の通り原発は、原子炉でお湯を沸かし、高圧蒸気でタービンを回して発電機を駆動します。危険なのは原子炉であって、発電機を駆動する動力源を他に求めれば、既存の発電、変電、送電設備を活用することができます。費用も期間も、大幅に圧縮することができるでしょう。

 私の所属する社団法人日本航空技術協会の機関誌「航空技術」2011年7月号に、注目すべき記事がありました。タイトルは「空から地上へ、ガスタービンの活用」で、筆者はジェットエンジンの設計技術者です。かなり専門的な論文ですので、ごく解り易く私の考えも加えてご紹介しましょう。少なくとも検討に値するアイディアだと思います。

 世界中で引退の進むボーイングB-747ジャンボジェットですが、このエンジンを発電所の動力源に活用しようというのです。ジェットエンジンの出力を馬力に換算するのは難しいのですが、離陸時のジャンボのエンジン出力は、1基あたり数万馬力に相当するでしょう。

 このエンジン出力を駆動力の形で取り出すと、およそ42,000kw(キロワット)と計算されます。地上動力では推進力は不要ですから、ガスエネルギーすべてを駆動力として取り出せるような改修が必要です。この種のエンジンをターボシャフト・エンジンといい、ヘリコプターではすでに多用されています。
さらに排気ガスの熱エネルギーを回収して、駆動力に追加するハイブリッド・システムにすると、計算上熱効率50%、52,000kwの出力が期待できます。
 
 原発1基の出力はおよそ100万kw、ジャンボ5機分のエンジンで得られます。

 ガスタービンの場合、エンジン自体は空冷式ですので吸気と排気装置さえあれば、建屋を密閉することも可能で、騒音は大幅に減らせます。燃料は灯油、天然ガス、LPGなどが使えます。問題は20台のエンジンの並列運転と、結合させる駆動装置です。巨大なギアボックスの機械効率も考慮せねばなりません。
 ジャンボのエンジンはファデック〔AFDEC=Full Authority Digital Electronics Control〕というデジタル電子制御システムになっているので、並列運転制御は比較的やりやすいでしょう。

 大事なことは、化石燃料を使用する限りCO2の排出は避けられません。地球温暖化防止に対する貢献度は、原発には遠く及ばないのです。また、何を使用するにせよ燃料は石油に依存することになります。

 しかし、既存の設備が活用できる、ちょっと魅力のある発想だと思いませんか。

写真はアメリカ大統領専用機B-747-400エアフォースワンです。Web百科事典ウィキペディアから借用しました。

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